KILL BILL vol.2 THE MOTHER STORY

キル・ビル2見ました。
今更なので散々皆さんに書き尽くされて斬新な意見もネタとしても成立する文が書けないような気がしないでもないですが。

古今東西(非常に偏っている)復讐映画の玩具箱をひっくり返して、タラが欲しい玩具を作ってしまった。素敵。
鑑賞前の周りの評判が悪かったので観に行くのに気が引けていたが、友達の「1がアッパーで2がダウナーだと思えば良いんですよ」の一言で観に行くことを決意する。
確かにアッパー系を期待すれば2では面食らうかも。正当な意味での復讐映画の王道だからだ。全てが「悲し」く「痛」い。登場人物は誰もが痛みを抱えて生きている、というか痛みを持った生き方しかできない。復讐という一点のカタルシスを得る為に、物語は悲しく進む。
そんな中、最後に光る光明がブライドが「母」を勝ち取るというエンディングであろう。マザコンでもあるボクにとってもあのラストは感動的である。2が女性に評判が良かったと聞いているが、それは「ラブストーリー」という冠詞にあるわけでは無く、「母」を基幹とした物語が女性たちの子宮に届いたからであるとボクは信じたい。
それもあって町山智浩氏が「母についての物語である」(http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040312)と書くのにもボクは烈しく共感を覚えるのである。
そう母なる物語なのだ。ボクのこれまでの人生の回帰する場所の一つがこの作品に焼き付けられている様々な映画達なのだから。