酒と泪と江梨子とゴルゴ

xxx1shot2kill2005-03-21

下妻物語」(傑作!)に始まり、気が付くと最近映画といえば、漫画の実写版しか観ていないことに気付く(スパイダーマンもそうだったなぁ)。

今日は今日といい観たのは、千葉真一主演「ゴルゴ13・九龍の首」と佐藤江梨子主演「キューティーハニー」だった。

これが二本ともこれはこれで非常に面白かった。

「ゴルゴ」は「いかにも!」という旧東映的作りが田舎に帰ったかのごとく非常にキンモチ良い!しかも千葉真一のデューク東郷の過剰なまでのなりきりっぷりがスゴ過ぎる。一歩間違えばウルフガイにも土方の親父にも見えてしまう微妙さがたまらない。動きもキレてるしな!香港の街を肉体一つで大暴れする様は最近の日本映画に欠けている活劇精神に溢れててステキです。こうなると前作の高倉健ゴルゴが見たくなってくるが、千葉真一の持つ「過剰さ」は少ないんだろうな。

「キューティー」は無駄を削ぎ落としたテンポの良い展開と演技のキッチュさ(いい意味で)とアニメ感覚溢れる過剰な映像(流石は庵野)が見ていて気持ち良かったデス。観ていて実感するのは佐藤江梨子の色気の無さっぷり(笑)あの野太い声といいエロスを感じない無意味なスタイルの良さが豪ちゃん漫画の健全なエッチさ加減を上手く表現してたんだろうなぁ、佐藤江梨子が婦女子に人気があるのもわかるような気がする。あの色気の無さ=男性に媚びない肉体という式が。それを補うかのような夏秋子役の中村実日子の妖艶さと眼鏡ッ娘の萌えっぷりが上手くフォロー!そして片桐はいりの無駄な巨乳!でも一番「漫画」だったのは永井豪本人様のあの表情!

こう観てみると、漫画の実写版に必要なものって「漫画」のもつ「過剰さ」を恐れることなく表現することなんかじゃないかなぁ、と考えさせられてしまう。誰も「漫画」を「日常」や「リアル」に転化されて見たくなんかないもんなぁ。「漫画」のもつ奇想天外さや作り物としての面白さをいかに紙面上から動く銀面上に表現してもらうことが楽しみなんだもん。

そんなわけで実写版を観る事によって「どうして映画が面白いのか」ってのを再確認した次第でありますよ。映画館ってのは非日常なもんですもんね。いや、リアルなやつも好きなんですけど。やっぱそうなら「リアル」を超えた「リアル」ってもんを見せてもらいたいもんですよね。

あいにく、去年の漫画実写版ブームの踏絵たる「キャシャーン」と「デビルマン」はまだ未見なのですが。踏絵を踏んで映画の面白さってもんをまた再確認させてもらおうかな。