白い炎

スケバン刑事〜コードネーム=麻宮サキ


結論から言おう。
予想に反し、かなり面白かった。
企画のアレ加減、監督・深作健太、報道での「てめえの全存在がウゼェんだよ〜!」のチャーミーの演技等、不安なだけの要素満載であり、こっちもそれを覚悟&期待しつつ向かったのだが、これがよくも裏切られた。


オープニングからいきなりの渋谷スクランブル交差点(大谷)雅恵大爆発でこちとらテンション爆発!
そこからの昭和の匂いプンプンのヨーヨーを操る麻宮サキのシルエットが踊るオープニングが失われた20年が蘇える。
そして「バキ〜死刑囚編」を思わせる拘束衣(紅に染まる眼球!)に「アイドル界の最終兵器」あややの「怖さ」が表現され期待を煽るばかり!そこから肩関節を外して拘束衣脱出!檻に肩をぶつけての関節ハメ!そしてエージェントを相手の大立ち回り!
そこで見せるチョーパンのあまりの迫力に「スケバン刑事史上戦闘力最強」の称号を瞬時に授与!


未成年犯罪解決の秘密機関(当然、暗闇指令as長門裕之!)から指令を与えられ、連続爆破事件の関与が疑われる高校に潜入するあやや
入校早々のトラブルにもいきなり「てんめぇら!ブッ殺すぞ!」と凶暴性バツグン!


そこで繰り広げられるイジメの数々の犠牲となるのは、美勇伝三好絵梨香岡田唯。彼女らのイジメられっぷりが嗜虐心を煽るというか、すげぇ官能的なんだな、これが。
便所で水かけられたり、モップで汚水まみれになる彼女らはホント、美しいです!ステファニーなんか目じゃない!


ここで関与してくるのが、イジメ問題、アングラサイト、カリスマ的犯罪者(クボヅカ弟)等々なのだが、こういう健太が好きそうな「透明なボク」的題材が、あややとは全く関係なく進んでいき、ただただ、敵側への憎悪をかきたてるという好循環。


反対にあややサイドは、助けとなるエージェント、竹内力とのハートウォーミングかつ昭和の匂いのする関係が繰り広げられ、「やれ!あやや!ぶっ殺せ!」と応援する心を煽られるばかり。


それはクライマックスに爆発し、特製スーツを着込むあややが敵軍団に突っ込んでいくシーンに否応なくエモーショナルとなり、あややの初本格アクションとは思えない身体能力の高さと相まって大爆発!
ボクは思わずスクリーンに向かって「ウォーッ!」と叫んでしまいましたよ!
「何の因果かマッポの手先!期間限定!スケバン刑事麻宮サキ!!」の大見得にもシビれることしきり!
そして劣勢を逆転するチョーパン!!
クボヅカ弟に切られたスーツから覗く柔肌もエロスたっぷりと、梶芽衣子、寺島純子に続く東映アクトレスはここにあややに蘇った!と感じましたYO!


ラスト。
竹内力斉藤由貴と繰り広げる、照れと信頼が混じった心地良い距離感は、心に熱く沁み、セーラー服で去り行くあややの後姿と共に、素晴らしい余韻を残す…。



いやぁ〜、あややのポテンシャルにやられることしきり。
共演の竹内力サイゾーあややに大リスペクトを捧げてましたよ。特にパンチの腰の入り方に。
絶対あややにケンカ売りたくはないです。
でもあややのチョーパン最高!一度受けてみてぇ!


24時間テレビ等でのアイドル的ナイーブ演技はあややの真骨頂とは言えません。デビュー以来感じてきたあややの「怖さ」がここに大昇華して爆発した!と断言したい。
これからはアバズレ女優=あややですよ!
唯一の難点は、ドス利かせたときに鼻にかかってしまう声ぐらい。


健太のマイナス要素のプラス作用、キャストの妙、そして脚本・丸山昇一の昭和の香り漂う(細かいことは気にしない)ストーリーが相まって予想外の快作に仕上がった!あくまでB級好きにとっては、だけど。


まあ、偶然の産物なんだろうけどね。


各々の負の要素に惑わされず、この映画、活目して観よ!
そう言いたいボクであります。
そして期間限定と言わず続編も是非!
健太はヌキで!


願わくばEDは、作詞:森雪之丞、作曲:玉置浩二でね。