汝、飛び込め!さすれば与えられん!

前日の疲れから昼過ぎに目覚め、近くの食堂へ。
ヤンサン読んでたら、「絶望に効く薬」が岡田斗志夫だった。
「誰にでも創造する力はある」と主張する岡田。消費末端のオタクは消費者であって本当のオタクではない、との弁。思わず、う〜ん、と唸らされる。自分は消費末端者なのか、どうなのか…。


本日は北谷のキャンプ・フォースター前のトップレス・バー「ChiChis」にて前日に引き続きのSMショー。当然、M男。ばるさんと。
2時間前に入ろうと家を出ようと思ったが、車のエンジンがかからず。近くの業者呼んだら、バッテリー切れということで充電作業で手間取り、会場入りがギリギリに。

会場に入ると、そこはもうアメリカ。でっかい白人のガードに止められ、「Today’s actor」と告げて寿師匠を呼んでもらい中に入る。
尊敬するポール・パーホーベンの伝説的クソ映画「ショーガール」の世界がそこに!
ホールのど真ん中にビリヤード台の二まわりばかりデカいステージがあり、そこには3本のポールが立っている。昨日とは全く違った空間に武者震い。

控え室に入ると、共演のちゃこさんと紫苑姉さんが。
挨拶すると、「Kamikazeはムチ大丈夫?」と聞かれたので、「大丈夫ですよ、あとロウソクも」と答えて、以上、打ち合わせ終了(笑)

控え室は、人種問わないダンサーのお姉ちゃんたちがとっかえひっかえ入り乱れ、人目も気にせずオッパイブラブラさせて歩き回る。いや〜、ステキ過ぎる!夢の空間!

ばるさん到着し、衣装に着替えたあたりで、コトラさん・あいろちゃんも到着。
さんの次がウチらの出番。出だしは前日と一緒。ただ今日は、霞紫苑・寿のダブル攻め!

有末さん、早乙女さん、卯月さんも控え室であってご挨拶。
今日は、有末さんと卯月さんは前日とは変わって洋装。会場に合わせてなのだろうが、いつものショーとは違うモノになりそうで期待大!ましてや卯月さんは、ブラウスにミニのタイトスカートと、ボクのツボはまりまくり!これでメガネだったら悶死必至!

そんなこんなで最初のダンスステージが終わり、ついにSMショーの幕が開いた。
最初はちゃこさんと台湾スジオくん(蛇)のスネークショー。ちなみにちゃこさんはニューハーフ。

その間、紫苑さん、ばるさん、ボクは、抱き合ってステージの成功を祈る。

ちゃこさんのステージ終わり、音楽と共にばるさんステージへ。
続いてボクもステージ上へ。まるでリングに上がる気持ち。

前日と同じく、ばるさんの攻撃をサバき、関節地獄へ。
この日のばるさんは前日と変わり抵抗激しく極めるのにも熱が入る。

そこへ、霞紫苑・寿乱入!
ムチをバチバチと打ち鳴らすと、哀れなマゾ男2人は舞台狭しと逃げ回る!
ついに2人は捕まり、ステージ中央へと引き立てられ、着衣を剥ぎ取られる。
関節技をさっきまで極めていたはずのボクは、いつのまにか縄に極められ、体中にロウソクを垂らされる。観客からの悲鳴が聞こえる。
そして顔面ラップ巻き!マジで窒息し、思わず縄外して手で空気穴確保!ホント、死ぬかと思った!
後でばるさんに聞くと、巻かれるときに歯を、

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こうしとけば巻かれても息が確保できるとの、ホントに役に立たないトリビア
と、閑話休題
足の指にロウソクを挟められ、ラップの上から顔面にロウソク。さらには股間に鈴付き洗濯バサミを大量に挟められ、それをムチで叩き落とすという荒業!棒が痛い!
これでは終わらず、片足を緊縛、逆さに吊り下げられると、両足のふくらはぎに3本づつのニードル貫通!
こんなことされながらも、「ああ、これで霞コンビも見れないんだなぁ…それに立ち会ってるんだなぁ…」と痛みではなく感慨で目を潤ませてたのはここだけのヒミツ。
縄を解かれ解放されるもケツを蹴られ、ステージ外に落とされる。
そこで待っていたのは、通常の緊縛吊りとは違う、腹に縄を一巻きしただけのホントの「吊るし上げ」!
体をくの字にして吊り上げられるその姿は、さながら「水揚げされたニューネッシー」(笑)
腹筋だけで全体重を支えるこの責めは見た目も派手だが本当につらかった…。
体ボロボロになりながら降ろされてステージ上に再び蹴り上げられるボク。
ここでS役交代、紫苑さんが女王さまに。
天使の羽で叩かれ、首に縄をかけられ、腹にニードルを刺される。1本、2本…計5本のニードルを刺される。
抜き取ると、首縄を引かれ犬の如く四方へ挨拶。紫苑さんにピンヒールで踏まれまくり。ふと見ると、ばるさんが蛍光ローションだらけで光りまくっていた。
パンツを裂かれ、尻ッぺたに連続張り手。
そして、尻尾をアナルに挿入!
いや〜、卯月さんに昨日アナル処女捧げててよかった。
その尻尾をお客さんに持たせムチで一撃!アナルから尻尾が抜ける。
さらに縄を引かれ、かぶりつきのお客さんにロウソクを垂らさせる。
最初のお姉さんは楽しそうにロウソクを垂らしてくれたばかりか、乳首をぺロリ。マジ気持ちよかった!さらにはパンツにチップを!
この瞬間、ボクはプロM男としてデビューを果たしたのでした。
四方を回りお客さんにロウソクを垂らさせる。女性は楽しそうにやってくれるのでこちらとしても嬉しいばかりか、気持ちよく「萌え〜!」なことしきり。だけど男性はビビりまくって垂らすもんでこっちとしては「萎え〜!」。
やっぱ、SMは女性のほうが食いつきがいいですな。"(,,゚Д゚) ガンガレ!"

そして縄をほどかれ、無事、ステージを後にしたのでした。
疲れた、っていうか、後から話を聞けば、音楽に合わせてステージするのが勝手にリピートされて時間が倍になったとか!計45分!疲れるよ、そりゃ!

休む間もなくTシャツはおってステージの後片付け。
そして早乙女宏美さんのステージ。

控え室では、ステージの成功を祝して紫苑さん、ばるさんとハグ。ばるさんは今回で引退らしい?ので紫苑さんから血染めの天使の羽がプレゼント。

控え室で体のロウを取ってると、ダンサーのお姉さんが「凄い!大丈夫!?」と尋ねるが、M男2人「いやぁ〜大したことないですよ」って、すっかり慣れたもの!つーか、ボクまだデビュー2日目!

後片付けをすませ外に出ると、早乙女さんの切腹が佳境のところ。
腹をかっさばき、胸に刃を突き立てると観客から悲鳴が漏れる。いや〜素晴らしすぎる!これぞJAPANのHARAKIRI!
死から蘇り、四方に挨拶する早乙女さんに観客から笑いが漏れる。可笑しいわけではなく、安堵の笑い。

そして、卯月さんが登場。
手枷、足枷、鎖に繋がれ、ラムシュタインに合わせて踊りまくる!
前日の前衛的な雰囲気とはうってかわっての躍動的なダンス!
鎖をステージに打ち鳴らす様に見ているこっちもアガりまくる!
四方を挑発しまくり、撮影していたマカベ氏を鎖で絡めとり顔をぺろーりと一舐め。マカベさん力抜け切ったように崩れ落ちる。いいリアクション!
その後、かぶりつきのお客さんに口づけをサービスする卯月さん。
手枷足枷を外し、そして、スカートとブラウスを脱ぎ捨て、背中の彫りを露にする。観客どよめき。
動きは変わり、自分の失くしたものを求めるかのように体をうねらせる。
そこに、
「ようこそ」
の声とともに、音楽が変わり、有末さん入場!あまりのカッコ良さに全身総毛立つ!
いつもとは違う、ステージ上で洋装の有末さん。普段は見れない姿に感激。
かかってる音楽も素晴らしい。どこかで聞いたんだが思い出せない。アニメのサントラなんだが…。
卯月さんを捕まえ、あっという間に後手縛りに縛り上げる。凄い速さ。
前日とは打って変わって、スペクタクル溢れるステージに体が震える。
横に渡したポールが滑ってなかなかうまく吊り上げられないながらも、海老座りで縛り上げ、卯月さんを吊り上げる。
と、ここで、音楽がなんだったか思い出す。「ベルセルク」だ!平沢進ですよ!センス溢れるチョイスに「さすがは卯月姉さん!」とますます心は沸き立つ。オタク万歳!
ロウソクが灯され、真紅のロウが卯月さんの体に垂らされる。
照明と相まって幻想的な雰囲気に包まれる。
ムチが体に叩き込まれ、炸裂音と喘ぎ声が会場に響き渡る。
縄から放たれた卯月さんが有末さんに体を預け、ステージ終了。

後片付けをし、控え室に戻ると、卯月さんが「あ〜、もうやっぱりワタシ痩せる〜」と漏らしている。
やっぱり、吊り上げのとき、ポールが滑るのと相まって吊り難かったそうな。
「曲、ベルセルクですよね?」と聞くと「そうそう、それに『BANANA FISH』混ぜて」との回答。オタク万歳!
「いや〜有末さんが入ってくときは総毛立ちましたよ!」と言うと「そ、そう?」と嬉しそうに答えてくれる。
「カラオケで歌えるんですよ、あの挿入歌のベルセルク」と答えると「え〜!そうなの?」と卯月さんが叫ぶ。
そして、卯月さんの体のロウを取る作業に。
背中の彫りと生尻をなんの気兼ねも無く触りまくり。よくよく考えると凄い経験でございますよ!

後片付けを終え、外に出ると、クラウン・コトラ&あいろステージの真っ最中。
メチャクチャ大盛況!
大の大人たちが人種関係なく手を挙げて風船を欲しがっている。クラウンという職人の持つ力が如実に現れています。誰をも純粋な子供に戻してしまう。
ダンサーの方々が「こんなステージ(SM)の後じゃウチらできないよ」とごちていたけど、二人の力で見事、場の雰囲気は和やかなものに。
この構成を作った寿師匠も流石だ。
四方八方からチップが飛び交い、帽子から溢れるほどに。
ステージ後もしっかりともらえなかった人たちに風船を作ってあげるコトラさんとあいろちゃん。微笑まし過ぎます。

SMショーも終わり、通常のダンスステージに。
ステージにチップを置くと、ダンサーたちがあんなコトやこんなコトをしてくれるのだ。

日本人や海兵隊らしきお兄ちゃんがステージに横たわり、顔や股間の上でクネクネと。
さらにはベルトを抜かれて腹をバチバチ叩かれてるけど、アレ、絶対バラムチより痛いよ!と経験者談。

そのうち、卯月さんがチップ持ってスタコラサッサとかぶりつきの席に。見るからにワクワクそうに陣取って、チップを渡すとステージ上に飛び上がり、いきなりダンサーとレズショーを!観客からヤンヤの喝采
そのうち紫苑さんも我慢できずチップ持ってステージに駆け上がり同じくレズショー開始!
いや〜、楽しすぎる!

それを見てたら、紫苑さんにチップを渡され、ばるさんとボクもチップサービスを受けることに。
ステージ上に寝転がり、あんなコトやこんなコトをされたのだが、昨日のステージでニードル刺されて癒えてない乳首を思いっきり噛まれ涙ちょちょぎれ!愚息もあまりの痛さに消沈…。

途中、ステージ上でお客として思いっきり大開脚パンツ丸見えでダンサーと戯れてた照井美沙さんが帰り際、有末さんと寿師匠に写真集を手渡してく。照井美沙さんだと知るのは後のことで、てっきりファンが同人誌を渡していったのかと…オタクの性。

最後に「日本緊縛伝統保存会」と紹介され、再びステージ上に立ち観客に挨拶。
この日は、普段、外人しか入らないところが130人の日本人が来場!大盛況だったそうな。
マネージャーの方も大喜びでまたやってほしいとのコト。ってまたやるんですか!?(笑)

道具の撤収も終え、外に出るときに有末さん、卯月さん、早乙女さんと談笑。
「卯月に処女奪ってもらって良かったねぇ〜」と言われて、「いや〜、もし松田聖子ファンだったんなら松田聖子に童貞奪ってもらうのと一緒ですからねぇ」と答え、笑われる。冷静に考えれば男の童貞と処女は違うのだがいいのだ、これでいいのだ!

会場から出るとき、出演者の方と出るが、ふと正気に帰り、足が震える。正直、普通に暮らしてたら会えない面子だ。その重さにガクガクと震える。

北谷で打ち上げセッティング。打ち上げとなる。
中身はやっぱプライベートだから詳しくは書けないが、凄い話であったことは事実。正面に卯月さん、斜め前に早乙女さん、隣に有末さんという、やっぱありえない状況。沖縄料理食べたい、という卯月さんが「痩せる〜」と言ったにも関わらず料理がっつきまくりでみんなを笑わせる。ああ、この人は、母で、女で、少女なんだなぁ、なんかよくわかんないけどファンで良かったなぁ、と思った。


ありえないような二日間の経験。
それもこれも、半年前、grooveにいて、手を挙げなかったら起こらなかったことだ。
冒頭に書いた文章にある消費末端者とは、送り手側の送ることをまんじりとして受けてしまうことなのではないのだろうか?オタクとは言ってるけど果たして本当にそれが好きなのかどうなのかも説明できる言葉を持っているのだろうか。
自分はまだまだだとは思うけど、自分が本当に何が好きなのかという言葉を持っていて、一歩を踏み出す勇気を持っていた。
それが回りまわってこんな経験できない経験をさせてもらったんだと思う。
ただ、そこに留まり、受け続けるだけでは創造には繋がらない。
そこから一歩を踏み出すこと。何に繋がっていくかはわからない。でもそれが人生において明日を創造することなんだと、体に刻まれた傷と経験の中、そう思う。